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東京個展、中止決定のご報告





昨年の夏に延期となり、今年の7月にポーラ美術館のキュレーター・内呂博之氏のプライベートプロジェクトとして、銀座のギャラリー林にて開催を予定しておりました個展は、この度のオリンピック開催を巡る混乱を鑑み、オリンピック開催に合わせて開催予定だった銀座ギャラリー全体のイベントが中止となり、私自身の個展も中止の判断をいたしました。


この展覧会の開催が決まったのは新型コロナウィルスのパンデミックが広がる前の2019年のことでした。当初は、国内はもとより世界中から多くの人々が日本を訪れ、東京を中心にオリンピックのスポーツを楽しみ、さらに日本で文化イベントや同時代のアートに触れてもらう非常に良い機会となるだろうという意図のイベントの中での開催を予定していました。しかし、オリンピック開催を巡る状況が混乱するなか、このタイミングで個展を開催することに果たして意味があるのかと感じていたところ、イベント自体の中止が決まり、一年以上あたためて取り組んできた展覧会だったので中止は非常に残念ですが、別の発表機会を求めることになりました。


今回の個展で発表を予定していました新作の発表の機会は、来年2022年のアートフェア東京に引き継がれることになりました。来年の春に、アートフェア東京が開催されることを祈りつつ、作品とともに皆様にお会いできることを楽しみにしています。(画像は発表予定だった作品の一部から)



ここからは余談ですが、オリンピックを巡る現状について。オリンピックは、国民の様々な意見や感情とは関わりなく、ぬるりと開催されることに決まっていますが、私自身は、アスリートの方々が並々なら努力と厳しい状況でトレーニングを積み重ね、厳しい大会参加のルールブックに従ってもなおオリンピックへの参加とそこでの実力発揮を目指してきたその努力と思いを想像すると、できればその舞台に立ってほしいという思いはありながら、日本政府のパンデミックへの対応の遅さやワクチン普及の見通しの甘さ、オリンピック開催の中で生じている様々な矛盾やオリンピック関係者に対するダブルスタンダード的な対応や発言や行動に、日々いらだちを募らせています。残念ながら国民が心を寄せ合い、このスポーツの祭典を喜び迎えて応援するという状況とは程遠いものになってしまいました。


もちろん、オリンピック開催については賛否様々な意見があり、正しいひとつの答えがあるわけではありません。私が怒りを感じているのは、オリンピックの開催可否の問題よりも、そこに至るまでのパンデミックの対策における日本政府のあまりにも見通しの甘い後手後手の対応と、IOCの人種差別的なまでに強硬な態度だったのだと思います。例えば、今回のオリンピックの開催国がアメリカやフランスだったら・・こんなにも強硬的な態度で開催まで押し通すことが可能だったのかどうか。


今週、オリンピックが始まります。オリンピックの報道を見るとき、私はどんな思いになるのでしょうか・・やはり開催されて良かったと思うのか、やはり多くの人々の払った犠牲の方が大きかったと憤るのか・・果たして・・。








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