アトリエ引っ越し計画 その1 ~プロローグ?~

September 20, 2019

作業場アトリエの引っ越しの計画が少しずつ具体的に動き始めました。これまでは一部リフォームした築40年ほどの自宅の6畳一間を制作場所にしてきましたが、長女が生まれたことや、規模の大きな作品の制作に対応するため、アトリエを自宅外に設けることを考えてきました。そこで、自宅の近所で古家を探し始めました。中古物件を検索するのは本当に楽しいですね。購入の予定がなくても、時々ネット検索してしまいます。

 

私の住んでいる石川県金沢市中心部でも空き家は増えており、戦災を免れた街ならではの昔ながらの風情を感じられる町家が点在しています。現代の土地売買では建物自体が評価されない古家や町家物件もあり、価格にあまり反映されないし、こんな古い家に住みたい人はいないだろうと判断されるのか、更地として売買され新築が建ったり、駐車スペースにされていく状況があります。消費税増税前の住宅需要もあったようで、娘の通園の道すがら数件の町家がこの1年ほどで取り壊されているのを見かけました。

 

点在している町家の風情ある美しい景観から四季折々いつも心地よさをもらっている身として、それが管理されず老朽化し、どんどん失われていくことは寂しい。町家が取り壊される光景を眺めながらよくよく考えていましたら、ある時代の街並みが完全に保全された東山地区も本当に素晴らしいのですが一方で人の日常生活があり時代を経て受け継がれ変化し続けている地区の家々も、町家とある時に新築された建物が混在しながら時を経て、良い具合に馴染んで町の風景が出来上がっているのだなあと気が付きました。近代的な住宅でも、間口は狭くて奥に長かったり、窓の形状や位置が町家のそれを踏襲していたりと、その土地の気候風土によって培われた建築様式が密やかに受け継がれていたりするのがおもしろいです。

 

しかしながら車が主な交通手段の金沢、土地が広くて駐車スペースもたっぷりある便利さという魅力は抗しがたいようで(そりゃそうだ)、最近の新築住宅は狭い区画を二つつなげて、現代的なスタイルの住宅をどーんと建てたりしているので、今後景観は変わっていってしまうのでしょう。

 

この街で文化的な活動に携わる者のひとりとしてできることに限りはありますが、一軒でも多くの町家が保護されて残ってほしいという思いがありますし、町家の外観や趣を保ちながら現代的に活用することへの興味や憧れもあります。町家はもちろん、古いものに手を入れて安全性(耐震性・耐災害)を確保しながら、経済的な負担を減らしつつ、気持ちの良い暮らしや、地域へ還元される活動や事業を行う昨今の暮らし方の価値観の変化を、非常に好ましく思っています。

 

今後、これらが単なる一過性のものではなく、問題点や欠点を改善しながら持続されていくことを願っています。それぞれにメリットやデメリットがあり、好みの違いも当然ありますからね!住まい方の価値観やスタイルの選択肢が多様化することは、とても良いことだと思います。

 

~続く~

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