金沢HACHiオープン記念展覧会
シエア型ホテル金沢HACHi(ハッチ/ 発地)のオープンホテル記念展覧会のオープニングレセプションに行ってきました。近江町市場と東茶屋街を結ぶ通りの交差点にあった仏壇センターをリノベーションしてつくられたホテルです。ドミトリーの部屋もベッドのスペースが広く、ベッドスペースの内に収納があり、荷物を外のロッカーに何度も取りにいったり外でゴソゴソしたりすることがなく使いやすそうです。温かみのあるライトグレーの落ち着いた色調の内装はデザイナーの方が北陸の冬空をイメージされたとのこと。北陸の冬の曇天はなかなかつらいものですが、そこからこのような心地よい空間を作ってもらえたというのは地元に住むものとしてとてもうれしいこと。屋上からは夕暮れの青色の町に雪の山々。北陸らしい大好きな風景。
私は地下一階のシャワールーム男女各室に作品を展示しています。シャワールームでの展示なので、宿泊のお客さまのみ鑑賞可能です。ライティングが当てられない空間で少し薄暗いのですが、それがまたなんだか雰囲気があります。各階客室の一部やエレベーターホール、外階段には金沢のアートギャラリーと金沢を拠点に活動する35歳以下のアーティストの作品が点在し、ホテルこだわりの北陸の工芸素材を用いたしつらえとともに楽しんでいただけます。
夜のトークイベントでは工芸にまつわる熱い議論が交わされました。日常的にこれほどまで盛んに工芸について議論されるのは金沢は日本屈指なのではないかと思っています。日本の美術史において、西洋の美術の制度が明治期に導入された日本では工芸と美術の概念の成立は表裏一体、双子の兄弟のような関係です。日本で美術≒アートを志したからには、そのルーツはまずこの時代に辿り着くわけなので、表現スタイルやジャンルを問わず工芸の領域がどのように出来上がってきたのか知ることは、アーティストたちにとって実り多いことだと私は思っています。
地下一階のシャワールーム